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8020(ハチマルニイマル)運動というのをご存じでしょうか?
80歳になった時、親知らずを除く28本の歯のうち、20本以上自分の歯があれば、ほとんどの食物をかみくだくことができ、おいしく食べられるところから、20本以上の歯を保つことを目標としているものです。
80歳で20本以上の歯をもつ方と、そうでない方を比較すると、身体全体の健康状態にも差があり、現在その研究が進められています。
残念ながら80歳にまで達していない歯科医師が8020を経験で語る事はできません。
様々な研究も重要ですが、それを達成した方々の経験を聞き役立てて行く事も必要です。
幸運にも、80歳で親知らずまで含めた32本の歯を健康に保って元気にお過ごしの方がいらっしゃります。
歯科医師会を中心に8020運動が始まり、昨年より江戸川区の歯科医師会で8020達成者を表彰する事になりました。それがきっかけとなり、短い時間ですが本人の同意を得てインタビューをさせて頂き、感銘を受ける様々な事を聞かせて頂きました。
ここに紹介させて頂きたいと思います。
ご紹介する方は本当に若々しく元気で素敵な女性です。昭和の初め頃に永久歯の萌出時期を迎えています。当時は第二次大戦前で、戦後のような悲惨な状況では無いものの、現在の子供たちがおかれている生活環境とは大きく違っています。その点もふまえてご覧頂きたいと思います。
ご本人のお顔、名前を出さないと言う条件を提示させて頂き、ご本人からの許可を頂いて以下の内容を公開させて頂きます。
1.ご出身について
大正10年1月24日生、現在の墨田区がご出身、平成14年80歳を迎えました。
父親は床屋さんで10人兄弟とのこと。
2.歯科への来院のきっかけ
歯科への定期管理を行っていた娘さんがお母さんの歯の不調を聞き心配となり、
平成2年10月、娘さんの勧めで来院しました。
3.12年間の間で歯周病の検査結果の悪かった時
仕事が忙しい、一時的な身体的不自由、娘さんの結婚など、生活や身体など生活習慣
のリズムが乱れた時。
4.幼少時からの経験談
- 昭和元年頃に1回だけ歯の痛みを感じた記憶がある。その後は痛みの起こる前に歯科治療を受けている。
- 昭和元年頃には歯の痛みを封じるという仏教のまじないがあった。
- 親からの歯磨きをしてもらった経験は無い。幼少時からの歯間清掃の経験も無い。
- 当時「小学校に上がったら歯を磨く」という啓蒙が行なわれて、それがきっかけとなって朝と夜の歯磨きを始めた。
- 夜歯磨きをしたら何も食べないと言う事を実践していた。
- アメはなめなかった。しかしアンコ物は食べた。スルメイカや硬いおせんべいが好きだった。また、肉は1ヶ月に1〜2回程度と少なく、魚が好きで毎日食べ、海草も一緒によく食べていたとの事。
間食はあまりしなかった。したとしても少量の焼きそばとかお好み焼き程度。
5.歯科、医科との付き合い
- 痛みの起こる前に歯科治療を受けている。
- 68歳まで定期的には健診や歯石取りは行っていなかった。その後は必ず半年おきに行っている。
- 20年くらい続いているが薬は飲みたくない。少なくとも少しにして欲しい。
- 糖尿病、白内障になるが、自分からも率先して医師と話をし、納得して指示を守り治療を受け、継続している。しかし、納得しないと行わないし、納得のいかない事を感じると疑問に思う。
6.歯に対する思い
- 歯が痛くなるのは嫌。
- 歯は自慢、自分の歯で何でも食べられている事を誇りに思っている。
- 今でも白くてきれいな歯を見ると羨ましく思う。
- 8020表彰を受けた事をうれしく思っている。
- 人前に出るのは嫌だが、自分の経験が他の人に活かされる事には協力的。
人を誉め讃える事は、手本を示せるし、他の人への影響も大きいはずです。しかし、その根拠がハッキリ明示していないと意味がありません。先人の教えを受け継ぎ発展させるのが先生業ですが、先人とはエライ先生だけでなく、健康を維持してきた人もそうです。
日進月歩のまだ未完全な医療の中で、より多くの方が健康になるには医療の強要ではなく、経験に基づく教えを広める事がまず大切である事を感じました。
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